国産3Pサスペンション・カーの先駆けとなったマシンのひとつ、R&D ISHIRAHAの「NX101 ROADRUNNER」です。
当時の日本におけるトップドライバーでもあった石原直樹氏により設計され、生産のほうはOEM契約によりAYKが行ったマシンです。
DELTAからインスピレーションを得たと思われるその車体は、各部にAYK「EXL480K」と「CYCLONE」の既存パーツを多用しながらも、本格的な3Pカーとして仕上げられています。
そして本車は1983年の全日本選手権で2位、翌84年には優勝車となるなど、3Pシステムの有効性を実証する大活躍をしたほか、そのシンプルかつ普遍的な構成ゆえ、「J2」や「86J」といった後続モデルのベース・マシンとしても長く利用されました。
2mm厚のFRP製メイン・シャーシ。これに1mm厚のTバーを接続しリアをスイングさせます。
外見・構成共に、1982年の世界選手権優勝車である米国DELTA社の「SUPER PHASER」の影響を強く受けています。
日本車としては初めてキングピン・コイルスプリング式サスペンションを採用したフロント周り。
構成パーツは、バンパーとナックルを「CYCLONE」から、その他は「EXL480K」から流用しています。
キングピンも「EXL480K」のものですが、本車ではこれを元の位置よりも上にずらして固定することによってスプリングを入れる余地を確保しています。
17Sジュラルミンから削り出したオリジナルのモーターマウントに、「EXL480K」のアクスルを搭載。
リア・サスペンションは「CYCLONE」のオイルダンパーを利用して制御します。