2011年12月28日

PROSSO (1982)

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イタリア・SG社の「PROSSO」です。
「LASER」や「MONZA」のパーツを流用したシンプルなリジット・マシンで、いかにもSGらしい雰囲気を有するものです。
もっともSGが直後に「GEMINI SLX」の取扱いも開始したためか、ほどなくして本車は「MONZA」などよりも早く絶版になってしまったようです。

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シャーシの構成は、ASSOCIATEDの「RC-12E」等に似たFRP板によるダブルデッキ・スタイルです。
メイン・シャーシは「LASER」と輪郭は同じですが、それよりも前後の肉抜きを増やしたものになっています。
また、メカプレートはかなり高い位置に設置されています。

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フロントの足回りは「LASER」と同じです。
サーボ・セイバーやバンパーは後に「GEMINI」にも利用されました。

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樹脂製モーターマウントは「MONZA」と同じものですが、本車では「MONZA」に装備されていたサスペンションが廃されたため、その分スペーサーを入れることで高さが調節されています。
メカプレートとの接続部に付いている2つのレバー状のパーツは、巻線スピードコントローラーの設置台です。
デフはオーソドックスなボール・タイプを装備しています。

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アンプの使用を前提とした、「エキスパート用」と称された三角形のメカプレートを着けた状態。

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メカプレート前端部の大きなダイヤルは軸の根元がカム状になっており、これを回すことでメイン・シャーシとメカプレートの捩れを矯正することができる仕組みです。
またメイン・シャーシ上の黒色の丸いパーツはバッテリーの脱着装置です。これは表面がベルクロ・テープのように加工してある樹脂製パーツで、同じものをバッテリーの下部にも接着剤で貼り付けて使用します。ユニークな試みではあるものの、これらの厚みのためバッテリーの搭載位置が非常に高くなってしまう点が不合理です。


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2011年10月18日

GEMINI SLX (1982)

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イタリア・SG社の「GEMINI SLX」。
ポリカーボネイト製のチャンネル型シャーシが特徴のマシンです。
そもそも本車はイギリスに今も存在するショップ「PHIL GREENO MODELS」が、同店のオリジナル・マシン「GEMINI」シリーズの一台として発売したもので、これをSGが間もなくして権利取得したという経緯があったようです。

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一体型シャーシの後部がサスペンション機能を果たすようにカットされています。
このシャーシ自体はかなり軟らかいものですが、バッテリーをピッタリ入れることにより基幹部の剛性が維持され、リア・サスペンションも効果的に作動します。
イギリスでは、このようなポリカーボネイトやカーボンによるチャンネル型シャーシが一時流行したようで、本車のほかに、SCHUMACHERやPHANTOMといったブランドからも同様の構成をとるマシンが販売されていました。

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フロントはエリオット型で、サスペンションは装備していません。
このフロント周りはのちに1/10マシンなどにも長く流用され、そのためもあってか驚くべきことに某国の小売店には今現在でもパーツの在庫があるようです。

シャーシ中央の小さなメカプレートはFRP製、茶色になっていますが経年変色したものではなく、元々この色です。このFRPは他の製品にも使用され、一時は茶色がSGを象徴する色のようになっていました。逆に言えば、イギリス生まれの本車では唯一、SGらしさが感じられる部分かもしれません。

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アクスル・チューブと一体のコンパクトなモーター・マウント。ボール・デフを装備。
リア・サスペンションの制御は2本のボール・リンクで行います。
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