2011年12月08日

EXL480K (1982)

IMG_2999.JPG
AYKの「EXL480K」です。
「RX3000」用のコンバージョン・キット「EXL480」を基本にしつつ、新設計のパーツも加えることでコンプリート・キットの形としたものです。
徹底的に軽量化を追究したそのスマートで美しい車体は、リジット・カーとしての一つの到達点を示すものとなっています。

IMG_3004.JPG
0.1mm厚みを増したブラックFRP製シャーシは、従来よりややくびれが浅くカットされています。そしてミニサーボの普及も考慮し、メカプレートはコンパクトになっています。
前後のホイールについては、トラクションを上げるためにフィン部分を削ぎ落とした新設計のものを採用。

IMG_3000.JPG
フロント・バー、サポートブロック、ナックル、そしてバンパーがそれぞれにシェイプアップされています。
またリンケージ用のピロボールと前後のボディマウントは、敢えてアルミ製から樹脂製へと簡素化。一方、サーボ・ステーはプレス製から高級感のある削り出しのものに変わっています。
ローリング・スタビライザーは廃止されました。

IMG_3002.JPG
モーターマウントがアルミの鋳物から17Sジュラルミンを削り出したものへと変更され、一層の強度向上が図られています。
デフについては、コンバージョン・キットではデフ・ケース中央を覆う円筒形のカバーをFRP製に置き換えるのみでしたが、本車ではデフそのものをシャフト、内部ギア、ケース等を強化した新設計のものに変更しています。

IMG_3007.JPG
スピードコントローラは、AYKのバギーである「566B」用を改良したものを採用。
変速は前進4段、後進1段で、ブレーキ調節機能も有しています。
ちなみに、後発のTAMIYA「TORNADO RM Mk.3」も似た構造のコントローラーを装備していました。

posted by NNC at 00:00| Comment(4) | AYK

2011年12月06日

RX3000 SUPER EXPERT (1980)

IMG_2816.JPG
AYKの「RX3000 SUPER EXPERT」です。
「RX」シリーズの3世代目に当たり、重量の増加を抑制しつつ、耐久性・信頼性を一層向上させたマシンとなっています。
その結果、本車は1981年の全日本選手権で優勝、さらに1982年にもコンバージョン・キット「EXL480」を組み込んだ状態ながら再び優勝するなど、前作までと同様に一時期の日本のレースシーンにおいて圧倒的な強さを見せました。
リジット・カー時代の代表的な存在として、現在でも多くのファンに愛されているようです。

IMG_2820.JPG
メインシャーシは、前作「RX2000」よりさらにロールを意識して深いえぐりを入れた形状になりました。このメインシャーシには、生産時期によってフロント部のカットに多少異なる点があるようです。
また従来ジュラルミン製だったメカプレートはFRP製となり、各部にはアルミビスも多用されるなど軽量化が図られています。
なお、モーターマウントや、メカプレートの取り付け穴は前作と同位置となっており、旧来のユーザーのためパーツの互換性に配慮した設計がなされています。

IMG_2817.JPG
従来装備していたトレッドの調節機能を敢えて廃止、シンプルな24Sアルミ製大径フロント・バーを採用することで耐久性の向上を図りました。もっとも、オプションでは長さの違うバーも用意され、その限りで調節の余地を残しています。
ホイルの装着にはハブ・ロック方式を採用し、これによりガタを少なくするとともにホイル交換時にベアリングを入替える手間も省くことが可能になりました。またホイル自体も軽量なナイロン66製に改められています。
そしてサーボセイバーの後方には、ローリング・スタビライザーを装備(白色のパーツ)、これはネジの締め込みによりシャーシのロール特性を左右独立に調整できるものです。類似した機能は、TAMIYAの「CAN-AM LOLA」にも見られました。

IMG_2818.JPG
モーターマウントは5mm厚63Sアルミ製となり強度が向上、形状も単純なものだった従来に比べ、出来るだけ無駄な部分のないようにシェイプされたものとなっています。
またインナータイプ・デフ「GX1200」は、ケースが強化タイプに変更。
そしてさらにスピードコントローラーも、やはり信頼性向上のため前作より敢えて大型にされています。

IMG_2014.JPG
本車を8分間レースにも耐えうるよう軽量化するためのコンバージョン・キット、「EXL480」です。
これはAYKワークスの1982年世界選手権用のマシンを再現するもので、メイン・シャーシやデフ、ホイルといったパーツを除き、本車の大部分を置換する内容になっています。
そして周知のように、後にはこれらのパーツ群を含むフルサイズのキットとして、「EXL480K」も発売されています。
posted by NNC at 00:00| Comment(0) | AYK

2011年11月19日

SUPER PARSEC (1987)

IMG_1953.JPG
AYKの「SUPER PARSEC」です。
「CRX PARSEC」を発展させたマシンであり、同社としては初めてボールリンク・サスペンションを採用、バッテリーも振分けて搭載するようになりました。
発売前のプロトタイプが、1987年の全日本選手権において第6位に入賞。

IMG_1958.JPG
シャーシはダブルカーボン製を採用。
Tバーは、ボールリンク式としては標準的な方法で接続されています。

IMG_1959.JPG
フロントアームやナックルなどは前作と同様のものですが、アームの固定位置を外側にずらして前作よりトレッドを6mm拡げています。
そして特徴的だったフロント・オイルダンパーを廃し、替わりにバルクヘッドを取り付けて剛性の向上を図っています。

IMG_1957.JPG
マグネシウム製一体型モーターマウントは前作と似ていますが、本車ではモーターをセンター配置するためデザインし直されています。
ピッチングを制御するオイルダンパーは新設計の大容量タイプを搭載。他方、ローリングの制御は斜めに立てた片側1本のフリクション・ダンパーで行います。
デフは従来同様、4ピニオンのギヤ式。
また外からは見えませんが、シャフトは当然にカーボン製です。
posted by NNC at 00:00| Comment(0) | AYK