2011年07月26日

RC-4WD SPARK (1985)

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ABCの「RC-4WD SPARK」です。僅かに先行して発売された「CARRERA GTR」の4駆バージョンという趣きです。
4輪駆動車としての基本構成は先代の「4WD COBRA」や他社の同世代マシンとほぼ同様ですが、シャーシーの素材として、縦方向に硬く横方向に柔らかいという特性を有するグラフレックスを採用している点に大きな特徴があります。
1986年の全日本選手権では5位に入賞(後にABCの社長ともなる方がドライブ)。

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ワイドなメイン・シャーシーに、リアをスイングさせるサブ・シャーシーを結合する構成。チェーンを通す必要があるために、「CARRERA GTR」とは微妙にカットが異なります。

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フロントのパーツ群は「4WD COBRA」からほぼ一新されています。ただ、キングピン・コイルスプリング・サスペンションの採用もなくメカニズムとしてはあくまでオーソドックスで、むしろスチール製パーツが目立つ点では古さすら感じられます。この辺りは「4WD COBRA」で強度不足が見られたからなのかもしれません。また、ダイキャスト製ナックルの加工精度が非常に悪く、スペア・パーツとの交換を試みても軸心がなかなか正確に出ませんでした。

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「CARRERA GTR」とほぼ共通のリア周り。
モーター・マウントは「SUPER COBRA 3PS」の後期型や「APACHE J-2」シリーズと同じもので、ベアリング・カラーを交換することにより車高調整が可能。ボール・デフのみ、「4WD COBRA」のものをそのまま受け継いでいます。
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2011年07月22日

SUPER HERO PROTO X-2 (1983)

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1/12としては世界初となる4輪独立サスペンション・カー「X―1」をさらに発展させた、ABCの「SUPER HERO PROTO X-2」です。
ダブルウィッシュボーン方式による前後のサスペンションや二次減速を伴うギヤ・トレインなどの、前作の基本構成を引き継ぎながらも、レース指向を明確にしたより洗練されたマシンとなっています。

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独特の形状をしたFRPシャーシーは、後にはナチュラル・カラーのものも発売されました。

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バネ調整のできる小型オイルダンパーをモノ・ショック方式で取り付け、さらにスタビライザーを装備。

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リアのアッパー・アームはキャンバーを調整できるものになっています。スタビライザーはフロントとは異なりオプションとされていました。
オプションとしては他にも、リア・ダンパーをデュアル方式に変更するもの、ロスを軽減するため駆動系をチェーン・ドライブ方式にするものなど、多くの興味深いパーツが用意されていました。
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2011年06月26日

SUPER HERO X-1 (1982)

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1/12電動オンロードカーで初めて4輪独立サスペンションを採用したABC HOBBYの「SUPER HERO X-1」です。
同時期にはAYKによる「CYCLONE」の開発も進められていましたが、僅かの差で本車の発売のほうが先になったようです。

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発売当初は樹脂パーツの色が毒々しい青でしたが、後には写真のような黒のタイプも発売されました。

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ダブルウィッシュボーン形式のフロントサスペンションは、後には「X-2」はもちろん、「COBRA 3PS」や「APACHE J-2D」にも継承されました。

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狭いスペースにおいて複雑なリアサスペンションを構築するため、駆動系は2次減速方式となっています。
これではやはり駆動ロスが大きく、本車の最大の弱点でした。
なお、写真の車ではオプションのリア・バンパーを装着しています。

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ラジコンマガジン82年6月号から、初期の試作車と思われる姿。この段階ではリア・サスペンションがトレーリング・アーム方式です。
設計・製作は、世界チャンピオン・広坂正美氏の父である正明氏によるものだそうです。
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