ABCの「RC-4WD SPARK」です。僅かに先行して発売された「CARRERA GTR」の4駆バージョンという趣きです。
4輪駆動車としての基本構成は先代の「4WD COBRA」や他社の同世代マシンとほぼ同様ですが、シャーシーの素材として、縦方向に硬く横方向に柔らかいという特性を有するグラフレックスを採用している点に大きな特徴があります。
1986年の全日本選手権では5位に入賞(後にABCの社長ともなる方がドライブ)。
ワイドなメイン・シャーシーに、リアをスイングさせるサブ・シャーシーを結合する構成。チェーンを通す必要があるために、「CARRERA GTR」とは微妙にカットが異なります。
フロントのパーツ群は「4WD COBRA」からほぼ一新されています。ただ、キングピン・コイルスプリング・サスペンションの採用もなくメカニズムとしてはあくまでオーソドックスで、むしろスチール製パーツが目立つ点では古さすら感じられます。この辺りは「4WD COBRA」で強度不足が見られたからなのかもしれません。また、ダイキャスト製ナックルの加工精度が非常に悪く、スペア・パーツとの交換を試みても軸心がなかなか正確に出ませんでした。
「CARRERA GTR」とほぼ共通のリア周り。
モーター・マウントは「SUPER COBRA 3PS」の後期型や「APACHE J-2」シリーズと同じもので、ベアリング・カラーを交換することにより車高調整が可能。ボール・デフのみ、「4WD COBRA」のものをそのまま受け継いでいます。