2018年12月03日

R&D PROTO (1986/87)

ACEFFAC3-7375-4B56-B2C1-CBE1E567DF65.jpeg
当時の定価が55000円というISHIHARAの超高級マシン、「R&D PROTO」です。
数々の傑作車を世に出した武田訓成氏により設計されたもので、日本車の中でもボールリンクサスペンションを最も早期に導入したマシンの一つです。ROADRUNNERシリーズのような、AYKの製品とのパーツの互換性は、全くありません。
1988年の全日本選手権で4位入賞という記録を残しています。

1CFDA80F-89B7-43BC-AD94-EB51F0BBA87A.jpeg
2.2m厚のワイドなカーボン製シャーシ。
Tバーもカーボン製で、ボールリンクを介してシャーシ上に重ね合わせる方式です。

E54176AA-C200-4694-8C70-9CF3F3FDDF77.jpeg
83B588F5-CDBE-4C57-A3D5-4128B25B0BDB.jpeg
削り出しパーツにより構成された贅沢な作りのフロント周り。
ナックルの内部がオイルダンパーとなっていて、キングピンコイルスプリング式サスペンションによる自らの上下運動を制御するという、極めて個性的な仕組みです。
また、ステアリングロッドはターンバックルとなっています。これも日本国内において採用したのは、本車が最初ではないかと思います。

3EFF2F94-7711-4C73-AB85-AED3DA277288.jpeg
リアには二本のオイルダンパーを斜めに配置して、ピッチングとローリングを同時に制御できるよう工夫されています。
デフは小さなプラネタリーギアを4つを使ったギアタイプで、スパーギアは非常に厚みがあり歯のピッチは細かくなっています。また、アクスルも従来の日本車の水準に比して太い径のものが採用されています。
加えてさらには、モーターをオフセットするなど、このように、本車は、主に海外で発達しつつあった当時の最先端技術を一挙に盛り込んだ内容となっていました。もっとも、全体的に製品としての工作精度があまり良くなく、そのため一般のユーザーが所期の性能を発揮させることはそれほど簡単ではなかっただろうと推察します。
なお写真の車では、モーターとしてISHIHARAオリジナルのCOBRAを搭載しています。

posted by NNC at 00:00| Comment(1) | R&D ISHIHARA
この記事へのコメント
紹介してくださって本当にありがとうございました。アホな私が最後に購入したいわゆるトゥエルブ(当時はこの呼び方ありませんでしたね笑)です。ホントに高価なマシンでしたがブログ記事中でも指摘されているようにパーツの加工精度(特にモーターマウント)が低かったためかなりのフリクションロスを発生していたものと思います。また、リアハブが独特のデザインのものでしたのでAYKのタイヤセッターでは上手くカットすることが出来ませんでした。当時のラジマガでは凝りに凝ったフロントダンパー(ナックル)にはオイルを入れず非常に硬いリアダンパーのスプリングもダブルにすることが推奨されていました。メインシャシーがとにかく厚いカーボンでしたので軽量化に苦労させられました。ボディ(当時みんな使っていたアソシのTojo)といっしょに今でも大切に保存してあります。
Posted by 神代アリス at 2021年03月31日 20:21
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。