ABCの「CARRERA GTR」です。
「COBRA」の後を受け同社の主力マシンとなるべく、4輪駆動の「RC-4WD SPARK」と共に開発されました。
構成的には「DELTA」を思わせるシンプルかつ典型的な3Pマシンといったところですが、メイン・シャーシの素材として縦に硬く横に軟らかい性質を有するグラフレックスを採用している点はユニークです。
1985年の全日本選手権では、第5位と第7位に入賞しています。
グラフレックス製のワイドなメイン・シャーシに、サスペンション機能を果たすサブ・シャーシを連結。
「SPARK」に比べ、チェーンを通す必要がない分、メイン・シャーシのカットがシンプルになっています。
フロント周りは「APACHE J-2K」からの流用ですが、シャフトについてはより長いものになり、その結果ナックルがホイールの内側にすっぽり入るようになっています。ナックル自体は、「X-1」以来ほぼ同じものです。
時代とともに退化してきたバンパーは、ここへきて遂に廃止。
オプションとして、低車高タイプのフロント・ブロックが用意されていました。
リアもほとんど「APACHE」と同様です。
ベアリング・カラーの交換により、5段階に車高調整が可能。
非常に華奢なオイルダンパーが目立ちます。
なお、後に「CARRERA SRC」の登場で旧式となった本車は、1986年には名称を「CARRERA PORSCHE 962」と改められ、廉価モデルとして再発表されました。